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はじめに
この4年の間,歯周治療においてどのようなことで悩んでいるのか,講演会やスタディグループの集まりなど,機会のあるたびに歯科衛生士の方にアンケートを書いてもらっています.
そこに綴られたものによると,その悩みの多くは歯周初期治療のステージにあり,なかでもモチベーションとブラッシング指導に集中していました.
歯周病の85パーセントまでが,十分なプラークコントロールとスケーリング・ルートプレーニングを主体とした歯周初期治療で改善することが明らかにされています.しかし日常臨床では,残念ながらなかなか理論どおりにはうまくいかず,そこに悩みが生まれてくるわけです.
もちろん,知識があるからといって,それだけで問題が解決するわけではなく,悩みながら成長していくプロセスが必要なのですが,そこにちょっとしたサポートや知恵が加わることで,次の展望が拓けてくることも多いと感じています.そこで,歯科衛生士として知っておきたい知識や,おさえておきたい臨床のポイントを簡潔にまとめ,そのうえで,歯科衛生士の方々の生の声をご紹介しながら,歯周初期治療に携わるに際しての悩みの解決の糸口をさまざまに探ってみました.
高齢社会・生活習慣病を考えなくてはならない21世紀の歯科医療では,歯科衛生士の役割はきわめて大きいと考えています.かかりつけ歯科医機能,メインテナンスなどの遂行にも,人に対する深い理解と思いやりが欠かせず,患者さんに信頼される歯科医療を行うときには,医の倫理に基づいた対応が必須です.
そうした意味で,人と向き合い,情報を伝え,行動の変容を求める歯周初期治療は,すべての医療の原点であり,歯科衛生士の方々はもちろん,臨床医を目ざす若い歯科医師,ならびにその指導にあたる方々にも,是非読んでいただきたいと思っています.
最後に,本書発行にあたり,20年にわたりご指導いただきましたイエテボリ大学のDr.Lindhe,Dr.Nyman,奥羽大学の岡本 浩先生,そして執筆に協力してくださいました愛知県・前岡歯科医院の前岡一夫先生,大嶽由香さん,愛媛県・崎岡歯科医院の崎岡道正先生,忽那眞澄さん,当院の歯科衛生士,医歯薬出版株式会社に感謝申し上げます. |
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